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父が亡くなったのは2022年11月、享年74歳だった。脳梗塞の後遺症で3年間入院していたため、覚悟はできていた。でも実際に訃報が届いてから、やらなければならない手続きの多さに、悲しむ時間もなく圧倒された。
「死亡届は7日以内」「年金は10日以内」「銀行口座はすぐ凍結される」——そういう断片的な情報はネットで調べれば出てくるが、「全体の流れ」と「優先順位」を教えてくれる場所は、当時の自分にはなかった。この記事は、その経験をもとに「親が亡くなった後、14日以内にやるべきこと」を時系列でまとめたものだ。
死亡直後(当日〜3日以内)にやること
死亡診断書の受け取り
病院で亡くなった場合、担当医から「死亡診断書」が発行される。これが全ての手続きの起点となる書類だ。コピーを10〜15枚取っておくこと。多くの手続きでこの書類(または写し)が必要になる。
父の場合は入院先の病院で発行された。費用は病院によって違うが、3000〜5000円程度が多い。
死亡届の提出(7日以内)
死亡診断書と一体になっている「死亡届」を、市区町村の役所に提出する。提出期限は死亡から7日以内(国外の場合は3ヶ月以内)。24時間365日、役所の窓口(夜間・休日は当直窓口)で受け付けている。
提出すると「火葬許可証」が発行される。これがないと火葬できないので、葬儀社と連携してすぐに対応することになる。実際には葬儀社が代行してくれることが多い。
葬儀の手配
死亡直後から葬儀社を選んで打ち合わせが始まる。父の場合は長期入院だったため、事前に葬儀社をリストアップしていた。急ぎで決める必要があるが、「安心できる葬儀社か」を判断する時間はほぼない。入院中に家族で話し合って候補を絞っておくことを強くすすめる。
死亡後3〜7日以内にやること
健康保険の資格喪失手続き
国民健康保険の場合は市区町村の窓口、健康保険組合・協会けんぽの場合は事業所を通じて手続きする。退職後の健康保険であれば年金事務所が窓口になることも。健康保険証は返却する。
年金の受給停止手続き(10日以内)
父は厚生年金と国民年金の両方を受給していた。年金受給者が亡くなった場合、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内に「受給権者死亡届」を提出する必要がある。提出先は年金事務所またはねんきんダイヤル(0570-05-1165)。
手続きをしないと、亡くなった後も年金が振り込まれ続けることがある。これを知らずに使ってしまうと「不正受給」になり、後で全額返還を求められる。父の場合も、手続きが完了するまでに2ヶ月分が振り込まれてしまい、後で全額返還した。
遺族年金の手続き(5年以内だが早めに)
配偶者がいる場合は「遺族年金」の請求もできる。母は父の死後、遺族厚生年金を受け取る権利があった。請求期限は5年以内だが、受給開始は手続きをした月からになるため、早めに動いた方が損をしない。
死亡後7〜14日以内にやること
銀行口座の確認と早めの出金
銀行は死亡を知った時点で口座を凍結する。遺族が「親が亡くなりました」と銀行に連絡した瞬間に凍結される、という誤解が広まっているが、正確には銀行が「公式に認識した時点」だ。
口座が凍結されると、葬儀費用の支払いにも困ることがある。2019年の法改正で、相続前でも葬儀費用に充てる目的で「仮払い制度」が導入された。1つの金融機関あたり150万円を上限に引き出せる。父の口座はみずほ銀行と信用金庫の2か所にあり、それぞれで手続きした。
生命保険の死亡保険金請求(3年以内だが早めに)
父は定期保険と終身保険に加入していた。死亡保険金の請求期限は3年のものが多いが、書類を揃えるのに時間がかかるため、早めに保険会社に連絡することを推奨する。必要書類は通常、死亡診断書のコピー・被保険者の戸籍謄本・受取人の本人確認書類など。
保険会社によって違うが、申請から支払いまで2〜3週間かかることが多い。
相続に関する手続き(期限に注意)
相続放棄(3ヶ月以内)
借金がある場合は「相続放棄」を家庭裁判所に申し立てる必要がある。期限は死亡を知った日から3ヶ月以内。これを過ぎると原則として相続放棄はできなくなる。父には負債がなかったため利用しなかったが、相続放棄を検討する場合は弁護士に早めに相談することが重要だ。
準確定申告(4ヶ月以内)
亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が「準確定申告」をする必要がある。期限は死亡日の翌日から4ヶ月以内。父は年金所得があったため、この申告が必要だった。税理士に依頼した費用は5万円だった。
相続税の申告(10ヶ月以内)
相続財産が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合は相続税の申告が必要だ。期限は死亡翌日から10ヶ月以内。父の遺産は自宅不動産と預金のみで、基礎控除内に収まったため申告不要だったが、計算自体は税理士に確認してもらった(確認費用1万円)。
手続きをスムーズに進めるための準備
親が入院中・高齢の段階から準備しておくと良いことがある。
- 通帳・保険証券・権利証の保管場所を把握しておく——亡くなった後に探すのは想像以上に時間がかかる
- 年金証書を見つけておく——年金事務所への手続きで必要
- 加入している保険を一覧にしておく——本人が亡くなると加入状況が全く分からなくなることがある
- 印鑑証明書を複数枚準備する——相続手続きで何枚も必要になる
14日以内のチェックリスト
- □ 死亡診断書の受け取り・コピー(10〜15枚)
- □ 死亡届の提出(7日以内)→火葬許可証の受け取り
- □ 葬儀の手配・執行
- □ 健康保険の資格喪失手続き
- □ 年金受給停止(厚生年金は10日、国民年金は14日以内)
- □ 銀行口座の状況確認・仮払い制度の利用検討
- □ 生命保険会社への連絡
- □ 勤め先への連絡(父が現役だった場合)
親を亡くした直後は、悲しみと疲労の中で手続きを進めることになる。全部を一人で完璧にやろうとしなくていい。分からないことは役所の窓口や弁護士・司法書士・税理士に相談すればいい。「分からない」と言えば丁寧に教えてもらえる場所は、思っているよりたくさんある。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別の法律問題については、弁護士等の専門家にご相談ください。
